会社を設立すれば信用力が向上するため、様々な取引において有利になる等のメリットがある反面、事務手続きが複雑になるなどのデメリットも生じます。

個人事業主では、財務状態や経営状況が把握しにくく、取引先に対してはどうしても信用が低くなりがちです。それに対して、会社になると、IRや登記などによって財務状態や組織関係が公開されており、取引先も信用して取引できることになります。実際、個人事業主とは、取引をしない会社も多数存在するようです。
個人事業主では、その人の担保能力だけで判断されますが、会社の場合は、実績や将来性、経営能力、資質なども考慮して判断されるので、判断対象が増え、借り入れが容易になります。
最大のメリットは7年間にわたり欠損金の繰越控除が受けられることです。つまり、青色申告であれば、翌年度に利益が出たとしても、その年の所得から前年度の赤字を相殺することができます。それでも、赤字が残る場合はさらに翌年度、さらに、翌々年度…というように順に控除していき、最大7年間にわたって所得から控除できるようになっています。
とりわけ、事業を開始して間もない場合には、初期投資で出資がかさみ、赤字になることがほとんどでしょうから、創業者にとってはうれしい制度です。また、会社だと、家族などに報酬をわけることも容易になり、生命保険料が必要経費になる等税法上のメリットは多数存在します。
個人事業主の場合は、事業主の報酬を必要経費に算入できず、所得が上がると法人税より税負担が高くなりますが、法人にすると、事業主報酬は必要経費に算入できます。
株式会社は、有限責任(株式払込金の範囲内の責任)のため株式会社の負債を個人の資産で弁済しなくてよい(ただし、借入等に際しては代表取締役及び取締役は個人保証を求められることが多いです)。

会社を設立すると、その設立手続きはもちろん、決算の会計処理や労働保険、社会保険などの手続きの負担が多くなります。税務上備えておくべき帳簿も増え、その作業を行うための人員も必要になるかもしれません。
>当事務所では、ご負担軽減のためのサポートをご用意いたしておりますのでご相談下さい。
会社は、従業員の社会保険などの費用を一部負担しなければなりません。費用を考えれば会社設立のデメリットともいえます。ただし、政府管掌の健康保・厚生年金に加入できると考えれば、逆にメリットとも考えられます。


会社を始めるにはいろいろと準備する事がありますが、中でも事業プランを具体的にたてておくことが重要です。
まずは、ご自身のサクセスストーリーを思い描いてください。どんな仕事をしたいか、どれくらい儲けたいのか、どんな自分になりたいのか…などイメージを膨らますことから始まります。
次に、事業の内容を検討していきます。事業の特徴は、ターゲット年齢層は、通信販売にするのか、開業資金はいくらくらいかかるのか…など、思いついたものはメモしておいてもよいでしょう。
さらに、事業内容を具体化するために、事業計画を作成はおすすめです。

事業計画を基にして、資金の計画を立てていきます。
ここでのポイントは、設備資金と運転資金の他に、必要経費として、会社が軌道に乗るまでの生活費を計算に入れておくことです。
設備資金とは、開業時にかかる初期費用のことで、事務所や店舗の敷金、礼金、本棚や机、営業者などの設備、ファックス、パソコン、コピー機などの備品などです。運転資金とは、事務所や店舗の賃貸料、通信費、水道光熱費、コピー用紙、文具等の消耗品、交際費などです。
会社が軌道に乗るまでの生活費は、6ヶ月程度の資金は確保しておきたいものです。資金計画ができれば、自己資金ですべてまかなえるのか、外部からの資金調達が必要かを検討します。
外部からの資金調達の場合は、身内から借りる、銀行など金融機関から借り入れる事が一般的ですが、公的資金を利用する、補助金、助成金を利用するなどの方法もあります。

自分で何でも判断するといっも、何の知識や情報もなく判断するのは危険です。また、人間一人の能力には限界があります。質のよい情報収集と人脈づくりは、会社を設立後、事業を行っていくうえで、欠かせないものです。
情報を集めるには、書籍の購入、法令、公的機関の情報、また、公開されていない情報については、人脈の活用、自分自身でのデーター収集をしていかなければなりません。
人脈づくりは、もちろん一朝一夕にできるものではありません。まずは、自分をいう人間を多くの人に知ってもらうことからはじまります。挨拶状や年賀状などなるべく多くの人に出すのもひとつの方法です。
また、よき相談者や協力者の存在も欠かせません。費用対効果の視点で、専門知識やノウハウが必要なものは専門家に頼むという方法もあります。専門家活用方法をしては、作業を頼む、相談する、専門化視点のアドバイスをもらうなどがあります。

自分で会社を始めると、サラリーマン時代のような定期的な健康診断がありません。また、決まった時間にお昼に休憩へ行くなどの労働時間の意識がなくなってくるかと思います。ついつい無理をしたくなってしまうものですが、病気でたおれてしまっては、当然のことながら代わりの人間がいません。体が資本ということです。
自分に限っては大丈夫!と過信せずに、決まった時間にバランスのよい食事を取り、定期健康診断を受けることもよいでしょう。


サラリーマン時代は会社組織の一員のため、自分で判断して行動することが少なく、また、自分で判断しても上司、その他の判断を仰ぐ、もしくは報告することなどが通常です。判断をする裁量が少ない分、判断を失敗した場合のリスクも少なめです。
しかし、自ら会社を始め事業主になれば、すべて自分で判断していきます。これは、大変な魅力です。新規の顧客を開拓する、経費の使い方、人を雇うか、資料はどうするか、価格はいくらに設定するか…等、すべてが判断の連続です。
自らの判断で行動するということは、たとえば、お客様を怒らせてしまった場合は、仕事がなくなってしまう(収入がなくなってしう)。また、判断を誤って手持ち資金が不足させてしまった場合、必要経費がかけられず仕事がとれなくなってしまう(場合によっては倒産してしまう)。などのリスクもすべて自分自身にかかってきます。
サラリーマンであれば、会社が責任をとってくれたり、上司があやまりにいってくれるかもしれませんが、事業主となれば、自ら判断した結果は責任をもたなければなりません。

サラリーマンは、お給料として支給された金額は、通常すべて自由に使えるお金です。しかし、事業主の場合お客様から受け取ったお金は売上げであって、すべてが自由に使えるお金というわけではありません。売上げから必要経費を引いた利益が給料になります。
こうしてみると、サラリーマン時代にもらっていた給料と同じだけの利益を得ることがたいへんだなぁと感じるかもしれません。
なお、事業主は会社の経費をすきなだけ自由に使えるようなイメージをお持ちの方もいらっしゃるかと思いますが、売上げを上げるためにかかった必要な経費は自由なお金とはいえないですね。